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わが家のうつわ

わが家で一番使う器は、残念ながら自分のものではない。
自分がひそかに尊敬して、羨んでいる作家の器です。

とても盛りやすく、ご飯がおいしく見える。
なんだか持ちにくくて使いにくいのだけれど、くやしいが使いたい、
というよりも自然に手が伸びて使っている。

ごはんを盛りつけたことをしっかり考えて素直に作っている器で、
これに代わる自分の器を!と、意気込むのだが未だ敗北が続いている。
それならば、この器を倣って作ろうと、
木地を作ってみたところでとても面白くもないのでしたくない。
 
女性作家特有の表現の柔らかさにはかなわないなと感じている。
なんだかそれが悔しいからというのも、作り続けている一つの理由なのかもしれない。

今は作る理由がないから作らない。と、その作家は言い放った。
作りたいもの、必要なものが浮かばないのに
無理に考えて作ってもそれは必要ない。という意味だ。
その考えも尊敬し、賛同している。

いつかくるであろう、作りたい時にすぐに作れるように。
僕が作り続けられているのは、その時の準備のためなのかもしれないと、
思っていたりもする。
その作家は、うちの上さんなんですがね。
  
続けているっていることも大事なのかもしれないけれど。
見定めて、続けないっていうことも尊重したいということ。


 

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